衣213「聖書物語」P.36から

衣213「聖書物語」P.36から

衣208で兄弟が銀20枚でヨセフを売った つづき

 

ヤコブ それから20年もの間なげき悲しんだ。

 

(先日みた映画 魯迅の「祝福」も不運続きの女性、最後は野垂れ死にですが、

子供を亡くし、春にオオカミが出て食べられたのを、冬に食料がなくて食べるけど、春は出ないと思ってた、わたしがバカだったと、遺品のオオカミに食いちぎられた靴を持ち歩き、ずっと嘆いてたのを、まわりのみんなが、少し頭がおかしいんじゃないかなんてひどいこと言ってた。)

 

いっぽう、ヨセフは、おしゃべりがわが身の不幸をまねいたと気づく。

 

ヨセフ、エジプトにつれていかれる。

エジプト軍の隊長ポティファルに奴隷として売られる

頭のよさを発揮して、隊長のために帳簿をつけたり、使用人のめんどうみる。

 

ところがポティフルの妻が、ヨセフの悪口を夫にいったので、ポティフルはヨセフを牢屋にいれる。

 

しかたなくヨセフは、おなじ牢屋にいれられている人たちの夢を解いたりした。

 

ある夜、エジプトの王ファラオが夢を見る。

 

七頭のまるまるこえた雌牛、七頭のやせた雌牛に食われた。

つぎに一本の麦の茎に七つの良い穂がみのっていたが、それが七つのやせた穂にのみこまれた>

王の夢をだれも解くことができない。

すると給仕長が、ヨセフ思い出す。

 

ヨセフ、王宮に呼ばれる。

 

ヨセフ、夢を解く。

 

「七年のあいだ、よい雌牛七頭とみのった七つの穂がしめすように、豊作つづく。

そのあと七年は、飢饉にみまわれ、穀物食いつくすことになる。

ですから王さま、いまから、かしこい者をえらんで、食料をたくわえ、飢饉にそなえる任務につかせておけば、国はほろびないでしょう」

 

ファラオは感心し、ヨセフを農業と食料の責任者に任命。

ヨセフの力、日ましに大きくなり、七年目の終わりには、エジプトを支配するまでになる。

それでもヨセフは王に忠実な家来としてふるまう。

 

大きな穀倉に小麦がたくわえられ、飢饉へのそなえができた。

 

エジプトの農民は、そういうそなえをしていなかった。

かれらは家や家畜や、しまいに土地までファラオにさしだして、小麦を買った。

 

(王のことをファラオというけど)

 

飢饉がきて、七年目が終わったとき、農民すべてをうしなっていた。

 

いっぽう王のほうは、地中海沿岸から月山脈までその手におさめていた。

 

こうしてエジプトの自由民にとって、奴隷としての歴史が始まった。

 

※月山脈 アフリカ中央部のウガンダコンゴ民主共和国の国境にある山地

P.38まで