衣217「聖書物語」P.39から

衣217「聖書物語」P.39から

エジプトだけでなく、バビロニアアッシリアやカナンなどまわりの地域も、日照りやイナゴの害にみまわれ、人々は苦しんだ。

 

カナンにいたヤコブと息子たちもおなじ。

 

ついに末の弟のベニヤミンだけをヤコブのもとにのこし、十人の息子たちはロバにからの袋をつみ、穀物を求めてエジプトへ出発。

 

ナイル川の岸についたとき、一行はエジプトの役人にとらえられ、副王となっていたヨセフの前にひきだされた。

 

これは、自分の兄たち。

うすよごれた放浪者たちを見て、ヨセフはすぐにわかった。

 

けれどもそ知らぬふりで、兄弟がはなすヘブライ語もわからないふりをして、おまえたちは何者だと、通訳にたずねさせた。

 

ひとりが答えた。

 

「カナンの羊飼い。十二人の子どもを持つ老いた父のために、食べものをさがしにきた」

 

「あとのふたりはどうした?」

 

「ひとりは、死んだ。もうひとりは、家で父の世話をしている」

 

ヨセフは信じられない話だというふりをして、それが真実であると証明するために、家にのこった弟を連れてくるように命じる。

 

兄弟は、ヘブライ語で相談。

三十年前にヨセフを奴隷として売ったむかしの罪を悔やむことばも出た。

 

これを聞いたヨセフに、あわれみの気持ちがわく。

(ちょっとた言葉で気持ちってかわったりするけど、テクノロジーのよのなかじゃ言葉もハードできびしい、やさしい言葉が必ずしもやさしいともかぎらないし、もうよくわからない 神さま仏さまご先祖さまにおすがりします。)

 

 

けれども兄たちのおかした罪を赦す(許すの字じゃない!)前に、もういちど、ためそうとした。

 

 

やはり、弟を連れてきなさい、と。

 

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