衣227「聖書物語」P40 5行目から
こうして、シメオンが人質としてエジプトにのこり、九人がもどって末の弟ベニヤミンを連れてくることになる。
カナンにもどると、父ヤコブひとりをおいて、ベニヤミンと兄弟はまたエジプトにむかう。
ふたたび行ったエジプトで兄弟、丁重なもてなしうける。
穀物を袋につめて、いざ父の待つカナンにもどろうとしたところ、エジプトの兵隊あらわれる。
副王のさかずきぬすまれて、ユダヤ人とりしらべる。
ベニヤミンの穀物袋から出てくる。
ヨセフのもとに連れもどされる。
兄弟はさかずきをぬすんだおぼえがない。
副王は信じてくれない。
ベニヤミンを奴隷としておいていきなさい、という。
兄弟のひとりユダはいう。
自分たちは、むかしベニヤミンの母とおなじひとから生まれた弟にひどいことをした。
ベニヤミンをおいていったりしたら、父はどんなに悲しむかわからない。
わたしたちはいなくなった弟にしたことを悔やんでいると涙ながらに話した。
ヨセフはがまんができなくなり、エジプト人をさがらせる。
そして、自分が命じてベニヤミンの袋にさかずきをいれさせたことをうちあける。
それからベニヤミンをだきしめる。
そして、エジプト全土をやおさめる強大な力を持つ副王こそ、あなたがたが、いなくなればいいのにと思って奴隷商人に売りとばしたヨセフだと話した。
これはほんとうにふしぎな物語で、聞けばひとはみな感動する。
ファラオの許しをえて、ヨセフは、父ヤコブをエジプトにむかえ、ゴシェンと呼ばれる土地を家族にあたえた。
ヤコブが死ぬと、ヨセフは先祖が眠るカナンに埋葬する。
それからまた長い年月、ヨセフはエジプトに住み、人びとは心の広いりっぱなヨセフを愛した。
ヨセフがエジプトにきたときの王は、アラビアの羊飼いであったヒクソス人の王朝のアペパ。
(ヨセフはアペパ王のとき、副王になりました)
エジプト人は、自分たちの王アスメスをたてて、アペパ王をたおした。
ヒクソス王朝の高い地位にいたヨセフは、飢饉のときにエジプト人を救ったのですが、王朝がたおれると、エジプト人はユダヤ人をきらうようになる。
(ヨセフのエジプト人を飢饉のとき救ったと思うのと、エジプト人がそう思わなかったから嫌いになったのとの感性の違いみたいなものを考える)
また何百年もたち、ユダヤ人は、町の暮らしになじもうとするあまり,自由でひとにたよらない素朴な羊飼いの気持ちをうしなう。
ヨセフの兄弟の子孫たちは、ごみごみした町でまずしく暮らす。
カナンに帰りたいという思いはあったが、町のべんりな暮らしをすてて長い旅にでる決心がつかない。
ところが、ひとりのすぐれた指導者があらわれて、いくつものユダヤの部ぞくをひとつにまとめ、アブラハムやイサクやヤコブが真の故郷とみなしていたカナンの地へと、彼らを連れもどすことになる。
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