衣323-1「クジャクヤママユ」「少年の日の思い出」
(カフカの変身思い出しました)
中学校1年生の国語教科書に掲載されていることで、日本での知名度は高い。この作品は2008年以降、「ヘルマン・ヘッセ昆虫展」として具現化され、全国30都市以上で展覧されている。さらには軽井沢高原文庫で開催された際、軽井沢演劇部により朗読劇にもなり、軽井沢ほか東京でも上演された。また、この昆虫展をきっかけに、ヘッセ自身が採集したチョウ(パルテベニヒカゲ)が大阪府在住のコレクター所有のチョウ類コレクションの中から発掘され、大阪市立自然史博物館にてヘッセ昆虫展に合わせ一般公開された。
カルフの噴水にあるヘッセのレリーフ(写真あり)
「クジャクヤママユ」(1911年)を自ら改稿して地方新聞に掲載した「少年の日の思い出」(1931年)は、1947年発行の日本の国定教科書に掲載され、その後現在に至るまで70年間以上も日本の中学国語教科書のいくつかに教材として掲載され、2012年度からはすべての検定教科書に載るなど、日本での知名度が高い。2009年4月、この作品を「昆虫標本」により具現化しようと、ヘッセと同じく昆虫採集を趣味とする岡田朝雄と新部公亮の2人が人文的昆虫展示会を行った。特筆すべきは、この作品に登場する4種(ワモンキシタバ・キアゲハ・コムラサキ・クジャクヤママユ)の鱗翅目(チョウ目)を特定し、それぞれこれらの乾燥標本をドイツ・スイスから取り寄せ、物語に則して展示したことである。なお、この展示会は日光市・大阪市・徳島市・鹿児島市・下野市・軽井沢町・川口市・福山市・岩国市・高崎市・宇都宮市・豊島区など全国30都市の公立博物館・文学館・図書館等にて巡回展示され、2010 - 2013年、ドイツ・スイス両国のヘッセ博物館でも開催されることになり、日独交流150周年の記念行事の一つとして、ドイツ・日本両大使館から記念ロゴマークの使用を承認された。スイス国モンタニョーラのヘッセ博物館では、ヘルマン・ヘッセの実孫ジルバー・ヘッセも、在スイス日本国大使夫妻とともに鑑賞した。
父であるカール・オットー・ヨハネス・ヘッセは、英語で書かれた内村鑑三の著書『代表的日本人』(英名:Representative men of Japan)を1908年に初めてドイツ語訳した人物として知られている。また、このドイツ語訳は、D.グンデルト社という出版社から刊行されたが、この出版社の代表者であったグンデルトは、ヨハネスの義兄弟にあたる。その息子であるW.グンデルトは、内村を慕って1906年に来日し、後にドイツの日本学に多大な貢献をもたらす研究者となった。[7]
7歳の頃、ヘッセは、父の伝手で、新島襄に会っている。
岡田朝雄によりフォルカー・ミヒェルス編でのヘッセの著作が訳されている(主に草思社、一部文庫再刊)