衣63-1森友学園補助金詐欺 籠池理事長と妻の実刑判決確定へ 最高裁

衣63-1

森友学園補助金詐欺 籠池理事長と妻の実刑判決確定へ 最高裁
2023年1月12日 20時02分

 

森友学園の籠池理事長と妻が国などの補助金をだまし取った罪に問われた裁判で、最高裁判所は12日までに上告を退ける決定をし、理事長と妻をともに実刑とした2審の判決が確定することになりました。

 

森友学園の理事長、籠池泰典被告(69)と妻の籠池諄子被告(66)は、小学校の建設工事や幼稚園の運営をめぐり、国や大阪府、それに大阪市補助金、合わせて1億7000万円余りをだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われました。

籠池理事長は一部の不正を認めたほかは無罪を主張し、諄子被告は全面的に無罪を主張しましたが、2審の大阪高等裁判所は籠池理事長について「小学校の設計業者に対して補助金を『国から多めにもらって建築費に充てよう』などと発言しており、みずからの判断で虚偽の申請をしていた」などと指摘して、1審に続いて懲役5年の実刑判決を言い渡しました。

 

部は学園を捜索。

2017年7月、籠池理事長と妻は詐欺の疑いで逮捕され、その後、起訴されました。

2019年3月の初公判で、籠池理事長は「官邸の意向と官邸へのそんたくにより財務省が動いた重大な事件から国民の目をそらすための国策捜査だ」と述べて検察の捜査や当時の安倍総理大臣への批判を展開。
大阪府や市の補助金については一部の不正を認めたものの、国の補助金についてはだます意図はなかったとして無罪を主張しました。

一方、財務省をめぐっては佐川元理財局長の主導で学園との交渉記録を廃棄したり、決裁文書を改ざんしたりしていた事実が判明しましたが、特捜部は刑事責任を問うのは難しいと判断し、2018年5月、告発された38人全員が不起訴となりました。

弁護士グループや市民団体などが検察審査会に申し立てを行い、2019年3月には「不起訴不当」の議決が出されましたが、再捜査の結果、再び不起訴に。

去年9月には決算文書の改ざんに関与させられ自殺した、赤木俊夫さんの妻らが、学園との交渉記録の情報公開請求をめぐりうその公文書を作成した疑いがあるなどとして元理財局長ら当時の幹部3人を東京地検特捜部に告発しましたが、先月嫌疑不十分で不起訴となっています。

森友学園をめぐる問題で唯一、刑事責任を問われた籠池理事長と妻。

無罪の主張は退けられ、刑務所に収容される見通しになりました。