衣333-1「全室退去のご案内」に住民ビックリ…免震偽装のタワマン解体へ

衣333-1「全室退去のご案内」に住民ビックリ…免震偽装のタワマン解体へ

 

2015年に発覚した東洋ゴム工業(現・TOYO TIRE)製の免震ゴム性能偽装問題に絡み、同社製の免震ゴムが使用された福岡市中央区港の賃貸タワーマンションを解体すると、管理会社が住民に通知していたことがわかった。


 06年建築の30階建て。住民によると今月、「全室退去のご案内」と題した文書が配られた。文書には「是正対応につき、関係各所と協議を重ねたが、解体せざるを得ないという結論に至った」などと記載。来年6月末までの退去を求めるとともに、補償として賃料6か月分相当額の支払いや、敷金の全額返金について明記されていた。

 性能偽装問題発覚後、東洋ゴム工業側が住民に「免震ゴムを取り換える」などと説明に来ていたという。住民の50歳代の自営業男性は「ゴムの交換は済んでいると思っていたので大変驚いた。会社に問い合わせても納得できる回答がない」と話した。

 所有する投資法人によると、すでに別の会社と売買契約が結ばれており、マンションは9月に譲渡されるという。「TOYO TIRE」によると、問題のあったゴムを使用した全国154棟のうち148棟で交換などの作業を終えている。

 同社は「詳細は答えられない」としている。