衣867解決しない問題、チッソ後藤社長が辞任 「水俣病救済終了」発言で物議 2018/12/22 6:00

衣867解決しない問題、チッソ後藤社長が辞任 「水俣病救済終了」発言で物議
2018/12/22 6:00

https://www.nishinippon.co.jp/sp/item/n/474940/

チッソ後藤社長が辞任 「水俣病救済終了」発言で物議
2018/12/22 6:00

 

水俣病の原因企業チッソ(東京)は21日、後藤舜吉社長(84)が一身上の理由で辞任したと発表した。昨年6月に最高顧問から社長に復帰。今年5月に「(水俣病患者の)救済は終わっている」と発言して物議を醸した。

 
 チッソによると同日、後藤氏から辞任の申し出があり、取締役会で受理された。後任には木庭竜一代表取締役(64)が同日付で就任した。

 後藤氏は水俣病公式確認翌年の1957年、チッソ前身の新日本窒素肥料に入社。93~2003年に社長、03~11年に会長、その後に最高顧問を務め、昨年6月に再び社長に就いた。

 「水俣病を知る唯一の現役」として患者対応などの豊富な経験による手腕が期待されたが、今年の水俣病犠牲者慰霊式後に「救済は終わった」と発言、その後に撤回していた。

 

チッソの18年9月中間連結決算の純損益は赤字で、中間決算としては3年連続の赤字だった。

 後藤氏辞任について、水俣病患者団体「水俣病互助会」事務局の谷洋一さん(70)は「水俣病問題が自らの描いた方向に進展しない上、事業子会社の経営状態も芳しくないことから辞任を決断したのではないか」と指摘。「チッソ経営者は、長年被害者に対して取ってきた姿勢を改めるべき時期に来ており、後任社長の言動を注視したい」と語った。また環境省幹部は「寝耳に水だ。分社化した事業子会社JNC上場の問題解決はまだ先なのに、なぜこの時期なのか」と驚きを隠さなかった。

=2018/12/22付 西日本新聞朝刊=