衣874関係、米英中のポツダム宣言、

衣874関係、米英中のポツダム宣言

日本大百科全書(ニッポニカ)
ポツダム宣言
ぽつだむせんげん
Potsdam Declaration

1945年(昭和20)7月に開かれたポツダム会談で協議されたうえ、同年7月26日、米英中三国政府首脳の連名で日本に対して発せられた降伏勧告の宣言。この宣言は全部で13項からなり、日本がこのまま戦争を継続すれば日本の国土は完全に荒廃してしまうこと(3項)、いまや日本は壊滅への道を続けるかそれとも理性の道を歩むかを決定すべきであること(4項)を述べ、連合国が要求する戦争終結の条件として次のものを掲げている。(1)軍国主義の除去、(2)日本国領土の占領、(3)カイロ宣言の条項の履行、および本州、北海道、九州、四国および連合国が決定する諸小島への日本の主権の制限、(4)日本国軍隊の完全な武装解除、(5)戦争犯罪人に対する厳重な処罰、ならびに民主主義の確立、(6)賠償の実施と平和産業の確保。またこの宣言は、以上の諸目的が達成され、日本国民の自由に表明された意思に従って平和的な傾向をもった責任ある政府が樹立された場合には、ただちに占領軍を撤収することを明らかにしている(12項)。

 ポツダム宣言が発せられるや、日本政府および軍の首脳の間では、それを受諾すべきか否かにつき深刻な討論が闘わされた。日本政府はいったんは拒否を通告したものの、広島や長崎への原爆投下(8月6日、8月9日)、ソ連の対日参戦(8月8日)とますます絶望的な状況へ追いやられたため、ついに受諾するに至った。8月14日、日本政府は宣言の受諾を決定し、同日夜、終戦詔勅が発せられた。

[深谷満雄]