衣421-1プロジェクトX 挑戦者たち えりも岬に春を呼べ ~砂漠を森に・北の家族の半世紀
「社会生活向上へ偉大なるチャレンジと巨大プロジェクト」をテーマにした10タイトル。
このままでは、村がだめになる。昭和28年、村の有志が緑化事業を立ち上げた。約半世紀もの歳月をかけて、広大な砂漠を森林に再生し、かつての“豊饒の海”を蘇らせた、襟裳(えりも)の緑化事業。世代を超えて継承された、漁師とその家族たちの不断の努力、その軌跡を追う。
【収録内容】
昭和20年代、襟裳の地一帯は、“砂漠”と呼ばれ、強風が砂を舞い上げていた。かつてこのあたりは、カシワやミズナラなどが生い茂る原生林だったが、明治時代以降、多くの入植者がやって来て森林を伐採。一帯は荒廃した砂漠と化してしまった。海に流れ込んだ砂は、村の主産業である昆布漁を直撃した。
このままでは、村がだめになる。先頭に立ったのは24歳の漁師・飯田常雄だった。
しかし、予想を超える過酷な自然の前に事業は難航した。草の種は風で飛ばされ、いっこうに根付かない。海岸に打ち上げられる雑海草を被せることで対処した。村人が総出で海草を運び、砂漠は徐々に緑に変わっていった。
そして昭和45年夏、17年の歳月をかけて、ようやく“草原化”が実現した。次は植林。寒さに強いクロマツが選ばれた。しかし、クロマツは毎年根付く前に枯れてしまう。原因がわからず、事業は再び暗礁に乗り上げた…。
(2001年3月6日放送)
*収録時間43分/画面サイズ4:3/カラー/ステレオ/日本語字幕ON・OFF機能付