衣197関係-2上流の水害リスク増す工事は合法か

衣197関係-2上流の水害リスク増す工事は合法か
江副 哲
 弁護士・技術士(建設部門)
2022.04.20

↓難しくて良くわからないけど、鶴田ダムってあるの?

ダムの上に町があるのかなあ?

 

合併浄化槽できれいになった水がダムに流れ、上水道になるかなあ?とか漠然と考えたりして?!

福岡県内の町が河川の氾濫を防ごうと、流入する水路に水門の設置を開始。それに対し、水路の上流に位置する市が、水害リスクが増すとして工事禁止の仮処分を裁判所に申し立てた。しかし、却下の公算が大きいと筆者は考察する。その理由は──。

 福岡県内を南北に流れる遠賀川の流域で、内水対策の河川工事を巡って隣り合う県内の2市町が対立し、係争に至る異例の事態が発生している。

 宮若市は2021年12月24日、小竹町が同年11月から22年6月までの工期で進めている工事を禁止するよう、福岡地裁直方支部に仮処分を申し立てた。決定か却下か、4月上旬時点で結果は出ていない(資料1)。

 

宮若市内を流れる舞鶴川から分岐する今橋水路は、小竹町内で南良津川に合流する。小竹町はこの水路の合流部にボックスカルバートや水門(ローラーゲート)などを設置する工事を21年に発注した(資料2)。

 

この工事によって、水路から南良津川への流入量を、豪雨時に毎秒2m3に制御できるようになる。過去の豪雨で町内に何度も冠水被害をもたらしてきた南良津川の氾濫を防ぐのが小竹町の狙いだ。

 一方で宮若市は、舞鶴川の最下流部に排水ポンプの設置を予定している。市のポンプと町の水門を組み合わせる内水対策は、市町に国土交通省遠賀川河川事務所を加えた勉強会で検討して決めたことだった。

 ただ、ポンプの設置予定時期は23年度だ。排水ポンプが未設置の状態で今橋水路の最下流部の流量を町が設置する水門で制限すれば、豪雨の際に舞鶴川とともに今橋水路の水位が上昇する。市は水路上流の鶴田地区に水害の恐れが生じると危惧。水門の設置などをポンプの設置まで待つよう町に要請していた。しかし、町が応じず着工したため、工事の中止を求めて仮処分の申し立てに踏み切った。

 市は工事の差し止めを請求する訴訟を起こす準備をしているが、裁判には時間がかかる。もし裁判所が町に差し止めを命じる判決を出したとしても、それ以前に工事が完成すれば無意味になる。そこで、仮に工事を差し止めるよう裁判所に求めた。