衣87 49歳で第1子出産の小松みゆきさん、「過酷ですよ、育児」 若くないゆえの大変さと“メリット”とは
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近年、著名人の40代での妊娠・出産が報告されています。高齢で子どもを望む女性にとっては勇気づけられることですが、気になるのは産後の育児です。体力面などで苦労はないのでしょうか。7年に及ぶ不妊治療の末、2021年に49歳で第1子を出産した俳優の小松みゆきさんに高齢育児の現実を聞きました。(取材・文=水沼一夫)
俳優の仕事と比較 「育児の大変さは全く別物」 小松さんは顕微授精を繰り返すこと14回以上、45歳のときに採卵した卵からようやく受精・妊娠し、49歳という高齢で出産しました。一般的に35歳以上が高齢出産と言われる中、はるかに高齢での出産。その後の育児においても、一筋縄でいかないことが多々あったそうです。 「出産後、体調の変化はすごくありました。個人差もあると思いますけど、骨盤がゆるくなって家の階段から何回も落ちました。自分が足を下ろしたと思った場所に足が着かないんです。リビングが2階で寝室は1階でしたが、主人に『降りないほうがいい』と言われて、赤ちゃんとは2階でずっと生活していました」 不妊治療中は日常的に体を鍛えていた小松さんですが、出産のダメージは想像以上で、帝王切開後の傷の痛みもなかなか癒えなかったそうです。右も左も分からない育児にほんろうされました。
「産後半年ほどまでは体力的にギリギリでした。毎日このまま寝たら目を開けないんじゃないかというぐらい自分が疲れていました。過酷ですよ、育児。3時間おきにミルク、その合間に家事もやれば、自分のこと、大人のご飯の用意、洗濯物も増えますし、お風呂もきれいにしないと赤ちゃんを入れられない。やることが倍にも3倍にも増えているので自分の時間がないから美容院も行かなかったです。そんな暇があったら寝たい。自分のことを何かやれるならまず眠りたかったです。 夫は激務で、帰宅は毎日午後10時ごろ。子どもが起きていたら少しでも顔を見たいと、まっすぐに帰ってきますが、育児はほぼワンオペでこなしました。頼れる身内も近くにはいません。産後は年齢にかかわらず、どんな母親にとっても大変な時期ですが、子どもがまとまって寝てくれるようになるまでは、記憶がないくらい疲れていました」 コロナ禍もあり、不要不急の外出は控えられていましたが、体が動かなかったというのが一番の理由だったと振り返ります。 「外出も極力、控えました。普通の出歩ける世の中だったとしても無理でした。取材で1日出ただけで、次の日は体が起き上がれないくらいに疲れました。運動を再開したくても体が動きません。元々体力に自信があったからこそ、筋力の低下に敏感なんだと思います。気づいたら老眼の症状も出始めました。精神的には仕事のほうが追い込まれます。でも、育児の大変さは全く別物です」
20代と40代では体力の違いは当然、あるでしょう。小松さんも「もう少し若くて元気に動けたら子どもの預け先を見つけて美容院にも行けたでしょうし、友達とランチにも行けたかもしれません」と 、実感を込めます。一方で、「ただ、高齢出産を後悔しているかと聞かれれば全くそんなことはなく、育児は楽しいですね。やっぱり望んで産んでいるので。毎朝目が覚めて横に子どもがいると『あ、今日もいた』ってうれしくなります。肉体的には大変ですけど、産後ブルーになることもなく、楽しくやれています」と、笑顔を見せます。