衣487-3
ユダヤ人はキュロスに祖国へ帰らせてくださいと願う。
キュロスは許す。
荒れ放題になっているパレスチナに住民がいるほうがよいと考えた。
紀元前538年.王のおふれ。
神殿をつくりなおしてもよい。
ネブカドネッァル王が40年前にうばった金銀の道具もかえそう。
半世紀の祈りがつうじた。
預言者のことばどおりになった。
神の子どもたちの追放が終わりを告げた。
とらわれの場所を去る自由をえた。
でも、ほとんどのユダヤ人はバビロンを動こうとしない。
新しいペルシャ帝国の町に移り住んだ者もいる。
祖国へもどる長く危険な砂漠の旅に出たのは少数。
信仰をまじめに考える人びと。
エルサレムの廃墟に、新しい神殿をつくり、ひたすら祈りをささげたいとのぞんでいた。
ペルシャ人はダニエルをだいじにしたが、ペルシャの王にそむいて神に祈りをささげることをやめなかったので、不服従の罪をきせられた。
ダニエルは死を宣告され、ライオンの檻にほうりこまれる。
よく朝ダニエルは傷ひとつ負わず檻から出てきた。
そして静かな余生をおくる。
年老いたダニエルが祖国へ帰るユダヤ人の指導者になるのはむり。
ユダヤの王の遠縁になるゼルバベルが帰国の指導者にえらばれる。
ゼルバベル、エルサレム再建の大事業にとりかかる。
たやすくなかった。
町はサマリア人によって農場や牧場に変えられていた。
サマリア人がいやがらせをした。
ぎゃくにサマリア人が、協力しようとしても、こんどはユダヤ人が異教徒といっしょに神殿の建設をするのをいやがる。
サマリア人はキュロス王にユダはペルシャから独立をたくらんでいるという、うその告げ口をする。
キュロス王は町の再建工事を中断させる。
エルサレムの城壁は雑草が生い茂る。
やがてキュロス王も死ぬ。
その時あらわれたのが、預言者ハガイ、ハガイはゼルバベルの弱腰を責めて、工事の再開をうながす。4年後、神殿完成。
追放された人びと、祖国にもどる。
けれども多くのユダヤ人は、エジプトやバビロニアの商業のさかんな町にのこる。
大きな祭りがある時は、エルサレムの神殿にもうでて、心の祖国としてのこの古い都をたたえる。
ユダヤ人であることを誇りに思いエルサレムを愛していましたが、ずっと住みつくことはなく祭りがすむとまたスサやダフネにある事務所にもどる。
二つの国を行き来する変わった生活は四百年もつづく。